もっとも美しい数学 ゲーム理論

専門分野ではなかったんだけど、「その数学が戦略を決める」の読者もかなり読んでるみたいだったからノリで買ってみた

でもこの本、とっても面白かった★★★★★
というのも、自分の興味の本質に凄く近い学問だったからである
ゼミで先生の話が横道に逸れてゲーム理論の話をしてくれて、この本の内容と非常にリンクして理解が少し進んだ

初期のゲーム理論は「人間は常に合理的に動く生き物である」という前提で理論が積み上げられているのだけど、その枠組みでは上手く説明ができなくなった
それはつまり、人間は「常に合理的には動かない」生き物であるということを意味していた
例えば人間は電車で席を譲るけれど、人間が本当に合理的な生き物なら、自己の利益を最大化させるために、席は譲らないものだ
では「何故、人間は合理的ではない行動をするのか?」
それは、「そういう行動をすることが人間にとって自己の利益を最大化させることだからである」と思われた
しかし、そうとも言い切れず、「人間は、自分が育った環境や文化の影響を受けて、それが自分の行動の選択に多大な影響を及ぼすのではないか」と考えられている

そうこう考えているうちに、人間を個として考えて理論を構築していくのは非常に困難なことになってきた
そこで、人間を個ではなく集団で捉えて、人間は集団としてどういう動きをするか、ということに研究が進められた
ちょうど人間を、空間を飛び回る原子と考えて、物理学の統計力学で膨大な原子の動きを扱うように、人間も集団で扱おうということ
この点においてゲーム理論は物理学と類似した学問であるということになるのだけど、そこにはさらに、もう1つの学問が関連している
それは、人間のその合理的あるいは非合理的な行動をどのように選択するのかが確率的に変動するという、統計学である

物理学から経営学へと専門分野を変えた先生が「経営学と物理学は非常に根本的に非常に似ている」と言っていた話、そしてうちの教授の「人間を学問的に扱うには、確率を考えないことにはどうしようもない」という話に関連することがここでは述べられていて、本当に興味深かった

ざっと書いたので間違ってるところ多数、ちょこちょこ修正かけていきます